Adobe Acrobat Pro 2020は、M1 (Apple Silicon) Mac用のバイナリを提供していないため、Rosetta2を介してIntel用バイナリを利用することになります。Acrobat Pro本体は特に問題ないのですが、Acrobatインストール時に(強制的に)インストールされてしまうMicrosoft PowerPointとWordのアドインが、M1 (Apple Silicon) には対応しておらず、例えばPowerPointの場合には、起動時に以下の用にVBA (Visual Basic for Applications) 関連のエラー(実行時エラー'53')が発生します。
メニューのツール
→PowerPointアドイン
などから一旦はアドインを削除すれば良さそうなのですが、PowerPointを再起動するとゾンビのように復活してしまいます。どうやら、PowerPointやWordの起動時に自動的にアドインを追加するようになっているようです(やめて欲しい)。
永久的にAcrobatアドインを削除するために、スタートアップ時に読み込まれるファイル自体を削除してしまいましょう。
Wordの場合には、
~/Library/Group Containers/UBF8T346G9.Office/User Content.localized/Startup.localized/Word/linkCreation.dotm
を削除します。
PowerPointの場合には、
~/Library/Group Containers/UBF8T346G9.Office/User Content.localized/Startup.localized/PowerPoint/SaveAsAdobePDF.ppam
を削除します。
rmコマンドで削除する場合には、空白をエスケープしましょう。
rm -f ~/Library/Group\ Containers/UBF8T346G9.Office/User\ Content.localized/Startup.localized/Word/linkCreation.dotm rm -f ~/Library/Group\ Containers/UBF8T346G9.Office/User\ Content.localized/Startup.localized/PowerPoint/SaveAsAdobePDF.ppam
これで二度とAcrobatのアドインが復活することはないでしょう。
2024年9月18日追記
先日、上記の通りにアドオンを削除したにも関わらず、VBAのエラーが発生してしまいました。
どうやら、ユーザーのホームディレクトリ直下のLibrary (~/Library/
) ではなく、ルート直下のLibrary (/Library/
) にインストールされていたようです。
そのため、sudoコマンドを使って、関連のファイルを削除する必要があります。
sudo rm -f /Library/Application\ Support/Microsoft/Office365/User\ Content.localized/Startup/Word/linkCreation.dotm sudo rm -f /Library/Application\ Support/Microsoft/Office365/User\ Content.localized/Startup/Powerpoint/SaveAsAdobePDF.ppam